「島の総督に任命する」
海賊仲間からこう言われた海賊は絶望に打ちひしがれることになります。
これは仲間から課される最も重い刑罰「島流し」の事なのです。
死刑より重い罰が「島流し」っておかしくないか?
と現代人は考えがちですが、それはちょっと違うようです・・・・・
島流しと言っても「緑生い茂る島」なんて事は無く「島」など名ばかりの岩礁や砂州のようなところに置き去りにされてしまいます。
絶対に生きてはいけない島、つまり事実上の「死刑」なのです。
それを残酷なジョークで「島の総督に任命する」などと言っていたのです。
人間が死に至る際「餓死ほど無残な死に方は無い」と聞いた事があります。
近い将来「自分は餓死する」と解っている場所に放り出されたときの絶望感は想像を絶します。
島の総督にはピストルと弾丸が与えられる事もありました。
もちろん自殺用です
生きる事に絶望したとき自ら命を絶てるよう渡すのです。
温情でも何でもありません・・・・
絶望感に打ちひしがれる相手に追い討ちをかける最上級の嫌がらせジョークです。

映画「パイレーツオブカリビアン」にもこの「島流し」のシーンは出てきますが、島流しにされたジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)は何とか島からの脱出に成功し、そのときの弾丸で自分を島流しにしたバルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)に止めをさします。
ジャック・スパロウはウミガメにつかまって脱出したと言ってますが・・・まあ映画ですから^^;
海賊達の間では「島流し」は、あっさり死ねる銃殺以上に重い刑罰だったのです。