名前の由来はイギリスの奴隷商人「ジョン・ホーキンス」だと思われます。
後の大海賊フランシス・ドレークの親戚筋にあたり、若き日のドレークが海賊としてのお手本としたとされるのがこのジョン・ホーキンスです。
奴隷貿易で莫大な利益をあげていたホーキンスはあるときカリブ海でハリケーンに巻き込まれ、傷んだ船の修繕のためスペイン領であるサン・ファン・デ・ウルアの港に強引に入り込みましたが、運悪くそこにスペインの護衛艦隊が到着しました。
先に入港していたホーキンスはスペイン艦隊に対して
「手出しせず船を無事修繕させてくれるなら入港を許可する」
と通告しますが、スペインから見れば不法入国者はホーキンスの方であり、まして密貿易の常習犯でスペインの国益を大きく損ねてきた犯罪者でもあるホーキンスのこのような理不尽な通告はのめるはずがありません。
そこでスペイン艦隊は通告をのんだふりをして静かに入港すると、いきなり一隻の海賊船に襲いかかって行ったのです。
湾内で激しい戦闘の末、奇襲を受けたホーキンスの船団は大打撃を受けてしまい、なんとか命からがら逃げだせたのはホーキンスの船(ミニオン号)と後の大海賊ドレークのジュディス号だけでした。
この時ミニオン号には定員オーバーの200名が乗っていましたがそのうち半数はスペインに投降させ、残りの100名ほどでイギリスに向かいましたが、無事にイギリスに帰還できたのはわずか15人だったといいます。
この時の凄絶な経験がホーキンスにしろドレークにしろ、スペインに対して異常なまでに憎悪を抱き、スペイン船に対しては海賊として容赦のない襲撃を続けた原因と言われています。
史実=ジョン・ホーキンス