海賊の食事風景といえば

なんとなく「宴(うたげ)」をイメージしてしまうのは私だけでしょうか?^^;

例えば英国海賊の拠点だったジャマイカのポートロイヤルなどでは襲撃に成功してお宝を手に入れた海賊が飲めや歌えの大騒ぎなんて事はあったでしょう。

しかし、それはあくまでも陸の上での事で、海上での食事は量も質も相当シビアだったようです。

欧州の海賊の代表的なメニューの定番は長期保存が可能な「ハードタック」と呼ばれる硬いビスケットがあります。

水はすぐに腐ってしまうので海賊達はワインやビールを大量に搭載し、ジョッキのワイン飲みながら硬いビスケットをかじって飢えをしのいでいました。

タンパク源は海の上ですから、やはり魚が中心となりますが、しかし魚もいつでも獲れるわけではありません。

海賊にとって肉といえば、牛や豚のことではなく「ウミガメ」の肉をさすことが多く、浜に上陸したとき等には全員でウミガメ狩りが始まる事も珍しくなかったそうです。

ウミガメは海の中では素早いですが、陸にあがってしまえば捕獲は容易で、甲羅を下にしてひっくり返しておけば自分では起きれないので自分達に都合の良いタイミングで回収できました。

たとえ何であれ食べられる物があるうちは良いのですが

極限状態になった場合は想像を絶する食事を余儀なくされます。

靴や鞄などの革製品は湯で柔らかく加工して胃の中に無理やり流し込みました。

海賊達はみすみす餓死する気などありませんから口に出来るものは何でも食べたのです。

船倉に沸く虫やらネズミの糞やらマストの油まで食べるほどに追い詰められ、最悪の場合「人食い」が起こってしまった船もあると様々な記録に残っています。

アニメの『ONEPIECE』では料理人のサンジが一流レストラン顔負けの食事をクルー達に提供しています。

(実はサンジは本も出版していたり)→ ONE PIECE PIRATE RECIPES 海の一流料理人 サンジの満腹ごはん

さすがに現実の海賊がこのような待遇を望むのは不可能ですが、それでも優秀な料理人がいる船とそうでない船の差は激しかったと予想できます。

優秀な料理人とは料理の上手い下手ではなく、限られた食材を効率よくクルーに提供できる料理人のことを言います。

たとえば貴重な水分であるラム酒等も何日か分を一気に飲み干した者がいたため、ラムを水で割って配給するなど工夫されました。

またその薄めたラム酒にレモンなどのシトラス系果汁を入れて壊血病の予防に努めました。

この酒は「グロッグ」と呼ばれ現代にレシピが残りますが、ちなみに「グロッキー」という言葉はこのグロッグを飲んでフラフラ状態の人が由来といわれています。

荒くれ者ばかりの海賊船で、料理人最大の仕事は、実は料理などではなく「食材庫を盗み食いから守ること」だったことも申し添えておきます。

このように過酷な海の上での食事で我慢を重ねた海賊達が、しばらくぶりにポートロイヤルなど陸に戻ったとき、常軌を逸した大騒ぎで盛り上がる気持ちも解らないでもないですよね?