2007年のイギリス映画1998年の『エリザベス』の続編で第80回アカデミー賞衣装デザイン賞受賞作品。

大航海時代の真っ只中16世紀のイングランド女王の物語です。

タイトル通り女王が主役の物語なのですが脇役として歴史上名高い海賊「フランシス・ドレーク」や航海士「ウォルター・ローリー」などが登場し、海賊(私掠船)が跋扈した当時の時代背景がよく解って海賊好きには面白い作品です。

当時世界最強であり「無敵艦隊」と言われたスペインの艦隊に戦いを挑み、見事勝利した歴史をエリザベス女王の視点から描いています。

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エリザベス<ゴールデン・エイジ>

女王として外部に対しては威厳にみちた態度を崩さなかったエリザベスでしたが、信頼する侍女のエリザベス・スロックモートン(通称ベス)にだけは一人の女性としての素顔を時折見せていました。

彼女ら2人の会話は女性らしくファッションに関する話もあれば周りにいる男性の評価など、まるで現代の女子が普通に友達と交す会話のようです。

毎日のように諸外国の来賓との応対を表情一つ崩すことなく事務的にこなすエリザベスですが、周囲の臣下の目を盗むように、無表情のまま下世話な事をボソッとベスの耳元で囁いたりするシーンに人間味が感じられます。

そんな2人の関係は1人の男の出現によって崩れてしまいます。

男の名は「ウォルター・ローリー」

今までエリザベスに近づいてきた男たちは皆彼女を褒め称える事しかせず、エリザベスは歯の浮く様なお世辞ばかり聞かされる毎日に辟易としていましたが、ローリーだけは臣下としての礼儀はわきまえつつも、エリザベスに対して一人の女性として接した事がエリザベスには新鮮でした。

また普段から女王として何かと束縛された生活を強要されているエリザベスにとって、冒険家として自由奔放に生きる彼は眩しいほどに魅力的な存在で、ローリーの口から発せられる刺激的な冒険談は退屈な王宮に暮らす者にとっては夢物語のような話ばかり。

エリザベスは彼に臣下としての寵愛以上の好意を持つようになります。

しかし彼に興味を抱いたのはエリザベスだけではありませんでした。

女王の侍女として王室に仕えるベスにとってもローリーは魅力的な存在であり、ローリーもまたベスの美貌に魅せられ、いつしか2人は結ばれます。

2人の関係を知ったエリザベスはローリーに対する失恋のみならず、信頼していた侍女のベスに裏切られたという思いが爆発し、普段ではあり得ないほど取り乱します。

結局ローリーもベスも王室の掟を破ったために捕えられ罪人とされてしまいました。

当時イギリス国内ではカトリックとプロテスタントというキリスト教徒同士の壮絶な争いや、イギリス正当な王家の血筋であるエリザベスの異母姉妹メアリーの支援者によるエリザベス暗殺未遂など重大な事件が頻発し、そういった国内の様々な困難を抱えたまま、世界最強国スペインとの戦いに突入する運命を強いられてしまいます。

当時スペイン無敵艦隊と戦うなどと言う事は無謀であり、エリザベスはじめイギリスの首脳も全員が「勝てる」とは思っておらず、半ば玉砕を覚悟した戦いでした。

戦いを前にスペインの国王フィリペ2世は自分の娘に「お前がイギリスの女王になるのだ」と戦後処理まで考え、勝利が既成事実であるかのような余裕を見せていました。

それに対しエリザベス女王は国家を挙げての一大決戦である事を覚悟し「収穫など後回しでよい、農民も武器をとって戦え」「全ての囚人を解放せよ、この国は彼らの国でもあるのだ」などと全てのイギリス国民に決死の覚悟で戦うよう鼓舞しました。

当然、恩赦を受けたローリーもこの厳しい戦いに加わります。

圧倒的に不利な戦いに突入したイギリスは最強のスペイン無敵艦隊に対してどのような戦いを挑むのでしょうか・・・・・

様々な難題と向かい合いながら女王として必死に生きるエリザベスを通して当時の時代背景がよく解るように創ってくれており

大航海時代が好きな人、海賊が好きな人は一度は観賞してみても損はない作品だと思います。