ドン・キホーテは1605年スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスによって発表された小説です。

主人公のアロンソ・キハーノは騎士道物語の読み過ぎで現実と空想の区別がつかなくなってしまい、自らを伝説の騎士と思いこみ「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」と名乗って遍歴の旅に出かける物語。

この世界的に有名な小説の作者ミゲル・デ・セルバンテスは20代の後半でバルバリア海賊の捕虜になった経験を持っています。

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ミゲル・デ・セルバンテス



捕虜になったとき士官の推薦状を持っていた事が災いし「大物」と勘違いされ、とても払えないような巨額な身代金を要求された為に5年もの間アルジェで奴隷生活に甘んじたようです。

その5年間の間に4度も脱走を試みましたが全て失敗。
しかしそれほど失敗したにもかかわらず殺されなかったのは「金になる大物」と思われていた為でしょうか。

ミゲルが奴隷時代に経験した様々な苦難を後に自身の著書で次のように回想しています。


主人は我々キリスト教徒を忌み嫌い毎日のように誰かを絞首刑や串刺しにしていた。
そしてそれを我々ほかの奴隷たちに見せつけるのだ。
また、ほんの些細な理由で、いや理由も無く奴隷たちの耳を削ぎ落すような狂気の人だったので地元のトルコ人でさえ「彼は殺人狂だ」と噂していたほどだった。


結果的にミゲルはギリギリのタイミングで身代金が届けられ保釈されましたが、この時の凄絶な経験が後の創作活動に大きく影響した事は想像に難くありません。


ドン・キホーテの滑稽ではあるけれど一本筋の通った正義の心根や愛馬ロシナンテのヨレヨレなりの頑張りは、
とても面白おかしく、でもそれだけではなく多くの人々に感動も与えてくれます。
それはこのような体験を経たミゲル・デ・セルバンテスだからこそ表現できた事なのかもしれませんね。