1636年イングランドの生まれ(スペインの生まれと言う説もある)
ただ現在の彼女に対する認識は「架空の人物」とするものがほとんどで
その理由として、公式な記録が無いことが言われている
しかし当時の海賊の記録で「公式なもの」がある海賊なんて、それこそ国家レベルでマークされていた大海賊(数名)だけであって
大半の海賊には公式な記録など存在しない
では「公式な記録」が無いはずのシャーロットが何故海賊史に名前が残ったのだろう?
と言う疑問が生じるが、答えは簡単で
それは19世紀にイギリスで大ヒットした「海賊の歴史」という小説っぽい伝記に引用されたからに他ならない。
つまり実在の人物ではなく小説の主人公なのだ
ただ、海賊と深いつながりを持っていたシャーロットと言う名の女性は実際にいたらしく
その女性をモデルに描かれていたようなので
「実在では無い!」
と100%は言い切れない
とりあえず、その伝記の一部をここにご紹介したい。

シャーロットは普通の少女として育ったが、海賊に恋をして周囲の反対を押し切って結婚し、逃げるように彼のいる海賊船に男装して乗りこんだ。
しかし数日で女性であることが船長にばれてしまう。
このとき船長は部下である彼を殺してシャーロットを我が物にしたいと企み、到底実現不可能な無理難題を押し付けて、彼に失敗の責任を負わせ、最終的には目論見どおり彼を死に追いやる事に成功し、力ずくで強引にシャーロットを自分の妻にした。
この船長は冷酷で傲慢な男だったため部下からも疎まれており、もちろん夫を殺されたシャーロットも船長を許すことが出来なかった。
彼の死がきっかけで船では反乱が起き、身勝手な船長は捕らえられ首を刎ねられてしまう。
そして次の船長には仲間に請われてシャーロットが就任した。
その後海賊稼業を続ける傍らシャーロットは3度目の結婚をするが、遭難・漂流・敵の攻撃など様々な苦難が彼女を襲う。
しかし彼女は船長として非常に優秀で様々な困難にもうまく対処し船員達の信頼を得る事に成功していた。
彼女の最期についての記述となるが
船が漂流して飢餓状態になったとき、誰が犠牲になるか?(誰が食料となるか)をくじ引きで決める事となり、当たりくじ(ハズレくじ?)を引いてしまったのは彼女の夫(3人目の夫)だったため彼は仲間のために犠牲になってしまった。
その後生き残ったクルー達はオランダ船に一旦救出されたが、その直後にその船が海賊に襲われ、同乗していたシャーロットはじめ助けられたクルー達はそのオランダ船のために海賊どもと最後まで勇敢に戦い船を守りきった。
皆が勝利を祝うさなかシャーロットは亡くなった夫の後を追うためひっそり海に身を投げたとされている。
これは1836年に発行されたエドワードロイドの「海賊の歴史」と言う出版物によるもので
「200年前に実在した女海賊の話」
として紹介されているが細かな内容は個々の本によって様々な違いがある。
この本の特徴は、血なまぐさい衝撃的な話が多くシャーロットの場合は
食糧難に陥ったとき奴隷を食糧としてしまった海賊という特殊性を強調して紹介している
海の生活の過酷さを表現する手段として用いられたものだと思うが
これによってシャーロットは「人食い」のレッテルが貼られることが多くなってしまった感は否めない。
この本が大ヒットしたため、後の出版物にも「シャーロット・デ・ベリーの逸話」となると
この「海賊の歴史」での話を引用することが多くなり、いつしか狂気に取り込まれた悲運の女海賊となってしまったようだ。