アメリカのフロリダ半島・プエルトリコ・バミューダ諸島を結ぶ地域で、毎年3000万人の観光客が訪れるバハマ諸島からほど近い海域ですが、世界有数のリゾート地である一方で中世から現代に至るまでこの辺りで消息を絶つ船が後を絶たず「魔の三角地帯」として船乗り達に恐れられてきた海域でもあります。

 

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バミューダトライアングル

20世紀に入ってからは船のみならず航空機まで忽然と姿を消す事件が相次いで発生しましたが、その原因は今もって不明です。

「宇宙人による誘拐説」「ブラックホール説」など荒唐無稽なものまで含めて様々な仮説があります。

その中では現実的なものの部類に入る説として「サルガッソーの大量発生による航行不能化説」があります。

サルガッソーとは日本ではホンダワラと呼ばれる海藻でバミューダ海域は別名「サルガッソー海」と呼ばれるほど大量に群生しています。

大航海時代の船乗りはこの辺りを航行中、突然ムッとするような臭気に襲われる事が度々あったようですが、それはこの辺りに漂う大量の枯れたサルガッソーが腐り漂流していた事が原因なのかもしれません。

この大量のサルガッソーが船にまとわりついて遭難するのではないか?と言う説です。

実はこの海域には赤道からの海流とメキシコ湾に向かう流れによって右回りの巨大な潮流の中ほどにあたるため、まったく流れの無い静かなところがあり、そこは海水の対流が無いために風が吹きにくいので凪の状態が数日続く事も珍しくないようです。

動力を風と海流に依存する帆船にとって「凪」はどうする事も出来ない自然現象であり、乗組員は風が吹くのを待つよりほかに手はありません。

そのような状況下で船が動けずにいた時、何らかの理由で大量のサルガッソーが発生したら船の運航に大きな支障来すのは当たり前で、それが長く続けば遭難する事も充分に考えられます。

しかし、サルガッソーが遭難の原因とするなら、航空機の事故に関しては説明がつきません。

そこでもう一つの現実的な説としてよく言われるのが「メタンハイドレート説」です。

最近日本の近海でも確認され、次世代のエネルギーとして有力視される「燃える氷」と呼ばれるあのメタンハイドレートです。

普段は凍った状態で固まっており安定していますが、それが例えば急激な海水温度の上昇があったり、地殻変動などで氷塊が解けたりすると大量のメタンガスを発生することがあり、その時の大量の泡が海水面まで達したとき巨大な泡となって、それは船が転覆してしまうほどのパワーを秘めています。

またメタンガスが海上(空気中)に放出された場合は上空の飛行機にまで様々な影響を与える事も否定できません。

このように様々な説が言われますが、科学の発達した今日でも原因は解き明かされていません。

ただこのような話には尾ひれがついて話が大きくなるのは世の常で、このバミューダ海域の伝説についても、

特にオカルトじみた事例(悪天候でも無いのに乗組員だけが消えたなど)に関しては、語られてきたものの多くがねつ造である事が証明されています。

もともと大きなハリーケーンが多い地域なので通常の海難事故も起きやすいのは確かなのですが、それが「原因不明の怪事件」として広まってしまう事も多々あったようです。

また時には1000㎞以上離れた海域で起きた事故や、ひどいケースでは1902年のフレヤ号遭難事故のように太平洋上の事故(バミューダは大西洋)さえバミューダ伝説として語られたりもしました。

そのため実際の事故は他の海域と大きな違いは無いという専門家もいます。

この海域が本当に何らかの怪事件を起こしうる場所なのか、ただ単に偶然が重なったり、話が脚色されただけの都市伝説なのか?

その答えが解き明かされるのはまだまだ先の話になりそうです。

幸い21世紀に入ってからはバミューダ海域周辺では航空機も船舶も大きな事故は起きていません。